8 février 2021
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Yamada Keijirou 山田圭二郎 et al., « 「地域の物語」の再生と自治の諸相 », Projets de paysage, ID : 10.4000/paysage.13481
今日、日本では、多くの自治体・地域が少子高齢化、人口流出等の大きな社会環境の変化に直面し、存続の危機に晒されている。しかし本来、自治体や地域とはいわば「自治の器」であり、多様な〈主体〉が互いに拮抗しつつ、共通利益や社会システムの改善を模索していく〈場〉である。本稿は、日仏の小規模自治体・地域が共に1960年代以降存続の危機に晒されながら、自らの存続可能性を追求しえた理由は何か、そこに風景はいかなる役割を果たしたかを明らかにすることを目的とした。比較分析には空間−社会構造図という独自の手法を適用した。結果として、対象地域がその存続可能性を追求しえた過程には、共通して4つの契機からなる「地域の物語」の再生という道筋が確認され、その原理的考察から「自己了解」「他者性の内部化」「公共圏的空間」という鍵概念が抽出された。〈風景〉はこの過程で、「物語の書き換え」即ち「未来の価値を創造しつつ自らの過去の蓄積の意味を読み換える」という座標軸の転換を促していた。