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文化的景観の要件としてあげられる歴史,自然環境,生活・生業は,「時間・空間・人間」という三つの「間」として理解可能である。それぞれの間にローカルルールが仕組まれ,「自治」という社会規範の下,総体的に地域コミュニティと風景との関係性を「場」として構築している。本研究では,災害によって断絶された人々と風景との関係性を取り戻し,主体的に次世代に継承するために,熊本地震からの復興における5つの事例から,五感を総動員して風景と向き合い,ふるさとで暮らすための新しい観点を提示した。「地域らしさ」を継承するためには,多様性,社会的包摂,持続可能性の3つを大切にする景観まちづくりの弛まない実践が必要である。