2020
HAL-SHS : histoire des religions
Archives ouvertes
Centre pour la communication scientifique directe
Ayame Hosoi, « Histoire alimentaire des Japonais à travers les historiettes Aguranabe de Kanagaki Robun », HAL-SHS : histoire des religions, ID : 10670/1.s6yunn
今日の日本ではありとあらゆる種類の食べものが様々な媒体を通し紹介されている。そこには食にまつわるタブーはほとんどなく、それもこのバラエティーの豊かさに一役買っているのかもしれない。また日本から発信されるキャラ弁やグルメマンガは海外でも人気を博している。この過剰ともいえる日本人の食への関心の中で「おいしい!」ということが繰り返し強調されるが、この要素が公に語られることは近代までは稀であった。本稿では仮名垣魯文『安愚楽鍋』(1871)を手がかりに20世紀までの日本の食にまつわる分野ではどのような要素が重視されてきたかに注目し、その移り変わりの歴史の一端を考察していきたい。